[REPORT]20分間のイメージ

  • 2022-10-24
  • 2022-10-27
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Fリーグ2022-2023 ディビジョン2 第9節。リガーレヴィア葛飾(以下リガーレ)は、10月22日、品川区立総合体育館でしながわシティ(以下しながわ)と対戦した。

(※以下、敬称略)

注意力、集中力、団結力

リーグ戦も中盤に差し掛かかり、4勝2敗の3位につけるリガーレ。

今回対戦するしながわは、開幕から負けなしの7連勝中でリーグ首位。

リガーレにとっては、さらなる上の順位を目指す上で、前半戦のポイントとなる試合。

試合前のロッカールームで、北智之監督が選手たちに語りかける。

1時間半後に試合が控えてるわけだから、いつも言ってるように徐々に徐々に上げていくこと。(今日の試合は)いい相手で、強い相手。だから緊張感を持ってピッチに入ろう。

今日は特に「注意力」と「集中力」にプラスして、「チームの団結力」が必要。

(試合に入れば)押し込まれたり、こちらがチャンスをつくる状況もあるだろうし、 セットプレーが何回も何回も連続する場面もあると思う。色々な状況が想定される中で、まず注意力、集中力を保って、そこに対してチーム一丸となって取り組むことがこの試合に勝つ上では1番大事なポイントになるから、メンタル面のポイントも頭に入れて。

(フットサルは)全てがチームスポーツだからね。(例えば)もし個人のマーク外れたとしてもカバーをして、そのカバーをもうひとりがする。チームで助け合いながらプレーしていくことは、今日は特に非常に大事。

そして、しながわとやる上で一番大事なことは、「相手をリスペクトしすぎないこと」。もちろん良いフットサルをするし、いい選手もいるけど、自分たちのプレーで、スタイルで、全力出していくこと。これが一番大事。

相手の選手やクラブにリスペクトはあるけど、受け入れすぎずに、自分たちがアグレッシブにプレスをかけ続けて、ボールホルダーに自由を与えない。それを40分続けること。

(具体的な戦術的な話を挟んで)

このゲームプランで40分戦おう。いい準備をして行きましょう。

波状攻撃

リガーレのメンバーは下記の通り。

先発はGK No.2石崎尚、FPはNo.5田嶋健一、No.9森岡薫、No.14米谷悟、No.15木村芳之。

https://twitter.com/ligaretokyo2014/status/1583693170206203904

第1ピリオド開始早々。アグレッシブに前線からプレッシャーをかけるリガーレ。しかし、相手も高いテクニックでプレスを回避し、リガーレのゴール前に迫る。

試合が動いたのは第1ピリオド2分。ゴール前までボールを運ばれ素早いカウンターを一度は防いだリガーレだったが、クリアボールのこぼれ球を繋がれて先制点を奪われると、その2分後にも追加点を奪われて0-2。

試合の立ち上がりからリードを奪われたリガーレは同5分。右コーナーキックの浮き球からNo.9森岡薫(以下森岡)が強烈なボレーシュートを放ち、会場の”温度”が跳ね上がるがボールはクロスバーの上。

タイムアウトを挟んで流れを変えたいリガーレは切り替えて反撃の糸口を掴みたいところだったが、相手の高いコンビネーションとパスワークに守勢に回る時間が増え苦しい時間帯が続く。攻撃では森岡、No.14米谷悟(以下米谷)、No.8菊地耕平(以下菊地耕)らが前線で積極的にゴールを狙うがネットを揺らすことは出来ず、逆に相手の”波状攻撃”から4ゴールの追加点を許して0-6で前半を折り返した。

前半のビハインドを埋めるべく、積極的に仕掛けたNo.14米谷(写真上)と、No.9森岡(写真下)

「サポーターのために」

リガーレにとって非常に苦しい展開となった前半での大きなビハインド。

重く、苦しいロッカールームの中で、森岡がチームに声をかける。

(今の)現実を見ないと。「行こうぜ行こうぜ」って、相手に立ち向かうよ?やるよ?

ーーでも、この(前半の)結果を見たら、(勝ち点を取るのは)無理かもしれないよね?だったら「勝ちに行こう」とか「同点にしよう」の前に、前半より1人1人良いプレーしようぜ。 1人1人が良いプレーしないと恥かくよ。自分たちはまだ若いんだから。本当に。このままだと恥かくよ。

(後半に向けて)行こう、行こう。

(このままだと)フットサル嫌いになるぞ。マジで。

経験豊富なベテランの言葉のあと、北監督が語りかける。

まず大事なことは、最後までゲームしっかりやること。戦うこと。前半起きてしまったことはしょうがない。取り返しつかない。

それはみんなの責任じゃなくて、俺の責任。

ーー後半。もう一回気持ち切り替えて、自分たちのフットサルをやろう。

ただ、一つだけ変えること。守備はマンツーマンで、前から(プレスに)行かない。センターサークルの頂点から、焦らずゆっくりと。

(戦術的な話を挟んで)

点差はかなり開いている。

だけど、スタンドをみれば(リガーレの)すごい数のサポーターがいる。

そして、どんなに格好悪くても、最後まで試合がある。残り20分間。

どんなに格好悪くても、(試合は)5分で終わってくれない。

だから、できるプレーを全力でやろう。

俺たちはこの試合で終わりなわけじゃない。次の試合が必ずある。

ーーでもこの試合を、本当に引き締めて戦わないと”次”はない。

(今日の試合)上で見ているベンチ外の選手もいる。本当に申し訳ない。

もう一度切り替えて、自分たちの戦い方、やり方でフットサルをやろう。

20分間のイメージ

迎えた第2ピリオド。

ディフェンスのプランを修正したリガーレは開始早々の2分にチャンスを掴む。

No.28江本賢也(以下江本)が左サイドの仕掛けから、逆サイドのNo.4碓井孝一郎(以下碓井)にパスを通すと碓井がゴール中央に流れながらカットイン。シュート性のボールに菊地耕が反応して1点を返すと、その後もカウンターからリズムを掴みチャンスを作り出す。

後半早々に反撃の起点を作ったNo.4碓井とNo.8菊地耕。

GKの藤川を中心に粘り強いディフェンスでチーム一丸となって”熱く、泥臭く、リガーレらしく”、反撃の意思表示を示すリガーレは、残り6分から碓井をGKに置いたパワープレーを開始。

残り4分には米谷の左サイドからの折返しをゴール前で受けたNo.25 熊谷貫太郎(以下熊谷)が気持ちのこもったシュートでゴールネットを揺らし2-6とする。

攻守に気持ちのこもったプレーを見せ2試合連続となるゴールを奪った熊谷

しかしリガーレの反撃は届かず、その後1点を追加され2-7で試合終了の笛を聞いた。

試合後、北監督が次の試合に向けて語りかける。

お疲れさまでした。

球際の部分や自分たちから相手にボールを与えてしまった部分など、もう1回練習から見直していこう。今日の結果は受け入れて、次のマルバ(マルバ水戸FC)戦に向かいましょう。

(その中で)後半の戦い方のように、1人1人がもっと1対1で、強い気持ちで戦って。

次のマルバは前回負けてる相手。

(次の試合まで)1週間しかないから、(今日の試合は)引きずる内容かもしれないけど、もう次へ向けて切り替えていきましょう。

試合に敗れてしまったリガーレ。前半の大量失点の20分間と、「熱く、泥臭く、リガーレらしく」戦った後半の20分間。チームは次の試合へむけて、後者の「20分間のイメージ」を持ちながら準備を進める。

LIGA Voice

北 智之監督

Q.今日の試合を振り返っての感想を教えて下さい。

注意していたポイントとしては、しながわの”圧力”です。例えば前からのプレスだったり、得点を奪った後に畳み掛けてくるような部分を非常に警戒していました。試合前に選手達にも声をかけ、”立ち上がりから気を付けよう”という話していましたが、 前半の早い段階で失点しまったところがゲームプランとしては苦しい展開になったかなと考えてます。

Q.後半に向けてのをゲームプランの修正、戦い方については?

後半に関しては、相手のプレス回避が非常に精度が高く、こちらが走らされて体力を奪われてしまう部分があったので、少しプレスのラインを下げ、マークのやり方を変えました。これに関しては(やり方の切り替えのタイミングが)少し遅かったかなと考えています。

(試合全体を振り返ると)

最初にミーティングでも伝えた、ゲームの入りの注意力や集中力の欠如が非常に前半多かった中で、その辺りを私がもう少しコントロールをして、ゲームに入ることが重要だったと考えています。

後半の戦い方については、メンタル面で言うと「団結力が大事だよ」という部分を選手たちに話した中で、(あの前半から)崩れることなくゴールを奪いに行き、戦い方も理解してプレーしたということは、非常に次の試合に繋がるんじゃないかと考えています。

Q.1週間後のマルバ戦に向けての意気込みをお願いします。

我々は”目の前の試合”に注力をしているので、今日は反省点は多いですけれども、下を向かずに次の試合で勝利することを目指して、トレーニングから次のゲームに向けた準備を進めていけたらとに考えています。

No.25 熊谷 貫太郎選手

Q.今日の試合を振り返っての感想を教えて下さい。
前半で6失点と畳みかけられて、ウチがしながわ相手に”気持ち”を見せれなかったのはデカいと思います。細かいところでいうと、マーク剥をがされたり、ちょっとしたタイミングや、気の緩みが失点に繋がった点が課題だと思います。その中で後半は戦い方を変えて、リガーレらしい体を張ったディフェンスとか、泥臭く戦えたかなと感じており、(敗れたものの)その中で2点取れたのはすごく大きいと思っています。

Q.熊谷選手自身が後半に意識した点があれば教えて下さい。

まず”目の前の相手は自分の責任”と思ってやっているんですが、上手い選手だと個々人が(マークを)剥がされたりするので、できるだけカバーができるように気を使ったり、ブロックに入った時にチェンジするなども気を使いながら、”自分のマークの責任を取る”というのはやって当たり前のことだと思うので意識してやっていました。

2点目のゴールはパワープレイだったんですけど、シーズン始まってからずっと練習してた形だったので、 (その意味では)あれは決めないといけないゴールだったので決めれてよかったと思います。

Q.リーグ戦も中盤に差し掛かりますが、ご自身のコンディションはいかがでしょうか?

コンディションはいいと思いますが、 これから”もっと上げないと”というところです。練習の強度もまだまだですし、試合の強度も上げられてない所もあると思うので、練習から個人・チーム全体でもっと上げて、強度の高い練習をしていかないとと感じています。

Q.次の試合に向けた意気込みをお願いします。

そうですね。マルバにはホーム開幕戦で苦い思いをさせられたので、今度は向こうのホームに乗り込んで今度は勝つということと、お互いに(Fリーグに)昇格したてのチームなので、”負けられない戦い”と思いって戦います。

リガ犬の”勝手に”タイムアウト

Presented by @ligaken

◎自称キャプテン(1)

「(No.15)ヨシくんが体調不良のときは俺がつける!」と、試合前のロッカールームでワンピースのルフィばりにキャプテンマークを拝借してある意味躍動したNo.28江本選手ですが、No.11 C選手に「お前が一生つけることはない」と冷静に断言されていた模様。

◎ピヴォの後悔(1)

試合時には強靭なフィジカルを武器にボールを懐に収めるNo.8菊地選手ですが、会場入りの道中でイヤホンを懐に収めるのは失敗し、シンプルにAirpodsを無くした模様。

◎ピヴォの後悔(2)

強靭なフィジカル、強烈なシュート、経験豊富なポジショニングを武器にチームを牽引するNo.9森岡選手ですが、自身が愛車をポジショニングした場所より安価な駐車場が近くにあったことを知り、試合前からちょっとだけヘコんでいた模様。

◎リガーレの伝統芸能

「今日キーパーは緑でいけよ」と、No.11 C選手に存在しないユニフォームの着用を指示された都内在住の藤川優佑さん(24)は「緑のユニはないし、”今日も”って言うな!」と先輩に的確なツッコミを入れて、新たな伝統芸能の形の構築をスタート。

◎営業失敗

試合前、プロポーツのチケットの価格設定について真剣に議論していたNo.11 C選手に対し、いきなり「(チケットではなく)僕に2000円払ってください」と謎のソリューション営業をかけたNo.8菊地選手ですが、むしろ支払う展開に発展し、Airpodsの金額補填に失敗した模様。

◎キャプテンシー

試合前、北監督から最近変更になったルールの説明を聞いていたNo.15木村選手ですが「あっそうなの?」と一瞬早口でタメ口になった疑惑が発生したものの、持ち前のキャプテンシーでカバーし会話はプレーオンで続行された模様。

◎自称キャプテン(2)
ロッカールームでキャプテンマークを巻き続けて30分は経過しているNo.28江本選手ですが、北監督から新ルールのDOGSO(※決定的な得点機会の阻止)について聞かれた際、若干食い気味に「新ルール?」と聞き返し、決定的なルール把握の機会を自ら阻止した模様。

◎たとえばチャボがいるだけで

「あれ?チャボ(藤川選手)いる?」と試合前のロッカーで視線を浪漫飛行させたNo.14米谷選手ですが、思いっきり隣に藤川選手がIn the skyしていたため何より恥ずかしい思いをしていた模様。

◎キャリアハイ

「高橋が喋ると誰も反応せず、ロッカーが3回静寂に包まれる説」を発表したNo.14米谷選手に対して、「おいコメ、そんなわけねーだろ!」と突っ込んだNo.11 C選手ですが、見事に4回目の静寂を獲得してキャリアハイをマーク。

それではまた次回お会いしましょう!

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東京都葛飾区をホームタウンに活動するフットサルクラブ「リガーレヴィア葛飾」(以下リガーレ)のトップチームの活動や試合レポートを中心に、リガーレの「今」と「人」にフォーカスをあてた情報を発信していきます。

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