[ REPORT ] 負けられない気持ち

  • 2020-10-05
  • 2020-10-05
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秋の色合いが色濃くなってきた9月26日(土)、第22回関東フットサルリーグ2020 powered by PENALTY 1部リーグ(以下関東リーグ)の第2節が開催され、リガーレ東京(以下リガーレ)は、エコーピア児玉(埼玉)にてバルドラール浦安セグンドと対戦した。

(※以下選手敬称略)

ファイルフォックス八王子との開幕戦から3週間。この間にも練習試合等で準備を進めてきたリガーレにとっては、前節の眞境名オスカー監督(以下オスカー監督)の言葉の通り、”本当に強いチーム”の真価が問われる一戦。

会場入り後のミーティングにて、オスカー監督が選手を集めて語りかける。

今年は(リーグ戦が1巡制のため)1回しかないので、どんな相手でも勝たないと優勝するのが難しい。1試合1試合を、決勝戦のような気持ちで準備をしていこう。

開幕戦の時にも伝えたように、(試合のメンバーに)入った選手は”嬉しい”ではなく、”仕事がある”ということを忘れずに、責任感を持って。

これまで男子も女子も含めて、いろんなカテゴリーのチームを見てきたが、(共通して)試合はメンタルの準備が大事。その気持を持ってアップから準備をしていかないと、試合中に足りない部分が間違いなく出てくる。しっかりと準備して臨みましょう。

  

 

2点を巡る攻防

この日のリガーレ東京のラインナップ。オスカー監督は開幕戦と同じ先発メンバー5人を起用。メンバーではNo.10尻屋が今シーズン初のベンチ入り。

 

時刻は昼前の午前11時、キックオフの開始の笛が鳴る。しとしとと降る秋雨と、会場を取り巻くのどかな田園風景の中で、静かな幕開けとなったこの試合。

お互いの出方を伺いながらの拮抗した状況が続く中、リガーレは前半2分、2本のシュートを放たれるが柴田が冷静に対処。リガーレにとって最初のチャンスは前半4分。大薗がキープから反転シュートを放つが対角のポストを直撃。

そんな中で試合が動いたのは前半7分。

左CKをNo.7岡崎が低めのボールでPA手前に入れると、No.24相原がコースを見いだしシュート。GKの弾いたこぼれ球をNo.5田嶋が押し込んでリガーレが欲しかった先制点を挙げる。

 

 

さらにリガーレは前半12分、大薗が敵陣ハーフウェーライン付近から右足を鋭く振り抜くミドルシュート。これがゴール左隅を捉えてリードを2点に広げた。

 

 

しかし前半15分、相手CKを起点に鋭いミドルシュートを決められて1点を返されると、若い選手が多く、勢いづく相手に流れが傾く。その1分後にも右サイドを活用されてゴール前へ折り返されると、混戦となった中でこぼれたボールを蹴り込まれて2-2。

互いの気持ちがぶつかりあった2点を巡る攻防は、試合を振り出しに戻してハーフタイムの笛を聞いた。

 

先制点の起点となったプレーを含め、この試合のキープレイヤーとなったNo.7岡崎。

  

 

円熟の”壁

後半は開始早々から相手のリズムとなり、守勢に回るリガーレ。

後半1分には相手の前線からのプレスで決定機の場面を作られるが、守護神の柴田が飛び出して好セーブ。その1分後にも、左サイドを突破されてファーポストへパスを送られ、絶体絶命のピンチを迎えるが、またしても柴田が防ぐ。

チーム全体のテンションを左右するような場面で”2点モノ”の決定機を防いだ守護神。そして、流れはまだ相手チームという中で、最終ラインで体を張って相手を食い止めるNo.23高橋。2人の”円熟の壁”を中心に、我慢の時間帯をリガーレは乗り切っていく。

 

前半から好セーブでピンチを救った守護神の柴田。後半の序盤の2本の決定機を防ぎ、試合の主導権を渡さなかった。

前半からアグレッシブな守備で最後尾を支えたNo.23高橋。

  

負けられない気持ち

スコアは2-2のままで試合が動いたのは、バチバチのボディコンタクトと、激しい球際が際立っていた後半の中盤。

相手の前からのプレスをカウンターで回避する展開を繰り返していた後半11分に前線からのプレス強めたリガーレは、相手GKへのパスを狙っていた大薗がルーズボールを滑り込みながら押し込んで3-2。

 

 

しかし直後に相手の右サイドの攻撃を許し、こぼれ球を決められ3-3とされると、後半16分にはゴール前右サイドから逆サイドへ展開され、フリーの決定機をつくられるが、またしても柴田が絶妙な飛び出しでシュートコースとタイミングを消して1対1を防ぐ。

両者の負けられない気持ちがぶつかり合い、どちらに転ぶかわからない状況の中で迎えた後半17分。リガーレは前線でのこぼれ球を岡崎がトラップして間髪入れずにシュート。これをゴール前で米谷がコースを変えて4−3。

リガーレは再度勝ち越しに成功する。

 

残り85秒

−−相原のキックインシュートが相手ゴールのクロスバーをかすめる。

気がつけば、残り時間は85秒。

米谷の勝ち越しゴールから、後半の終盤は相手のパワープレーに対して守勢となっていたリガーレ。

コート、ベンチにいる全員の視線が一つのボールに注がれ、視線を外す人間は誰もいない。 

 

まっすぐに、ただまっすぐに、守るリガーレ。

その思いが切れないまま、気づけば時間は残り3秒。柴田のふわりとしたスローが相手陣内の右隅に落ちたと同時に、リガーレは”勝ち点3”の笛を聞いた。

 

 

LIGA Voice

No.53 柴田健司 選手

 

 

Q.今日の試合で意識していたことをおしえてください。

まず関東リーグを迎える前の練習試合で前半に失点することが多く、その後メンタル面も含めて持ち直すとことが難しいことがチーム全体の課題だと思っていました。その中でこの試合に限らず、先制点をとるまではとにかくゼロで”抑える”という気持ちでプレーしています。

(今日の試合でいうと)勝っているときは雰囲気が良いのですが、今年始めて公式戦で点をとられて、チーム全体の雰囲気がどうなるかな?と思っていたのですが、少し落ちてしまった部分があり難しい時間帯が続きました。

同点にはされてしまったのですが、相手にリードをさせないこと。オスカーも前半が終わったあとに言っていたのですが、”相手をノリノリにさせない”ということを意識してプレーしていました。

 

Q.最後尾から今年のチームを見ていて感じることはありますか?

今年は攻撃的な選手が多く守備的な選手がすこし少ない中で、ディフェンス面では疎かになる部分があるというか、キーパーの役割、負担が高まるだろうなということは予想してシーズンに入っていました。僕もいい歳ですけど、みんなに負けないくらいに気持ちを出して、チームの力になりたいなと思いながら日々やっています。

チームとしては今日勝てて良い雰囲気のまま終われたので、この流れのまま、また火曜日の練習に臨めると思います。

 

Q.次節に向けての意気込みをお願いします。

対戦相手が町田さんで去年優勝しているチームですし、今回リーグが1巡しかないということで、オスカーも言っていたのですが、全部が決勝戦のつもりで戦っていきます。とにかく負けないこと。勝ち点を積み重ねることを意識して練習から頑張っていきたいと思います。 

 

No.5 田嶋健一 選手

 

 

Q.今日の試合を振り返ってください。

浦安セグンドとの試合は毎年お互いの得点の取り合いになる中で、こういった試合で勝ち切れたのは大きかったです。特に今日の試合は2点をリードして追いつかれて…の展開だったので、例年よりもさらに難しい試合だったなと感じました。

今年は亮さん(内部コーチ)が来たからこそ、僕たちのセットも、もう一つのセットも、『プレスをかける』『走る』という部分をチーム全体で意識して戦えたかなと思います。

 

Q.先制点の場面を振り返ってください。

サイン通りでした。ケン(No.24相原)が相手を外してシュートを打って、GKがはじいたこぼれ球がたまたま目の前に来て、後は触るだけでした。なので、前回の開幕戦のゴールよりは手応えはありました(笑)

 

Q.攻守で精力的なプレーが印象的でした。意識していたポイントはりますか?

攻守全体のバランスを見ながら、カバーリングであったりサポートの部分を意識していました。自分はそんなに器用な選手ではないので、人よりも走ってチームの潤滑油となるようなプレーを心がけています。これは今日の試合に限らず、これまでも、これからも、今シーズンずっと変わらずにやっていきたいなと思っています。

  

Q.次節に向けての意気込みをおしえてください 

町田には去年開幕戦は勝ちましたが、選手権もその後のリーグ戦も負けている相手なので…。次の試合は一つの山場だと思いますし、勝ち切らなければいけないゲームだと思いますので、次の試合までの2週間、相手のホームでの試合になりますがいい準備をして勝てるようにやっていきたいなと思います。

 

No.19 大薗諒 選手

 

 

Q.今日の試合を振り返ってください。

前節が結果的に大勝という形で終わった分、今節がある意味大きなターニングポイントになるな…と感じていました。相手はFリーグの下部組織でもちろん強いですし、どんな戦いになるかな・・・という点では結構不安を感じていた中で、とにかくやるしかないなという思いで入りました。

練習の雰囲気でいうと、自分も含めてまだまだ上げていく部分があると感じていた中で、今日は全員で勝利に向かって戦えたなと感じています。

Q.きょうの2点を振り返ってください。

1点目は自分の強みというか特徴の、強いシュートですね。入る気がしたので”ドン”と打ったら・・入った!という感じでした(笑) ボールを受ける位置とファーストタッチでコースを作れるのですが、良いパスが来たので、気持ちよく決めれました(笑)

2点目は自分が滑り込んで頑張ったように見える得点なのですが、ダイチ(No.7岡崎)が相手にプレスをかけてくれてパスコースを限定してくれたおかげでGKのバックパスになりました。自分はその”(プレスを)かけるよ”というメッセージを受け取って、その流れに乗っかるだけだったので、本当にありがたい1点でした。

 

Q.今日の試合、前線での駆け引きが開幕戦よりさらに激しかったように見えました。

(前線での駆け引きの部分は)相手チームがしっかりとスカウティングされていたことも要因としてあるかと思いますが、正直自分はバチバチやりたいなと思っています。フットサルの醍醐味でもある駆け引きがもっとできると楽しいなと感じているので、もっとやっていきたいなと思います。

 

Q.リーグ開幕から4得点と結果が出ていますが、今後の意気込みをおしえてください。

言ったところで説得力がないかもしれないですが、個人的な得点にそんなにこだわってはいないです。守備が得意な選手、攻撃が得意な選手が、それぞれの持ち味でチームへの貢献をしていく中で、自分はたまたまそういった結果が見えやすいポジションなだけだと思っています。

なので、『自分が得点を取ったから勝った』とは全く思っていないですし、自分の役割をとにかく果たして、結果とにかくチームが勝てば良いという意識でやっています。

自分自身足りないところもたくさんあるので、チームとともに更にレベルアップして練習からやっていければと思います。 

 

 

 

リガ犬の”勝手に”タイムアウト

 

Presented by @ligaken

  

◎カリスマの所以

試合前の集合時、マルエムPOPさま支給のロゴ入りマスクを各選手が正しく装着する中、オスカー監督は唯一マスクを反対につけて違和感なくしゃべり続けるというカリスマ性を遺憾なく発揮していた模様。

  

◎闘将

『隣は群馬』『9月末』『小雨の朝』という3拍子揃った絶好の”長袖ロケーション”の埼玉北部の試合会場に、西野TDが半袖短パンという正装現れ、朝9時からだれよりも戦う姿勢を体現していた模様。

 

◎それいけ!関口くん

『きょうの八高線、暖房がついてましたっ★』と数時間の長旅の模様を嬉しそうに語っていたNo.30関口選手ですが、どんな状況でも足元のサンダルは譲れないという猛禽類顔負けの独特なこだわりを披露。

 

◎競馬場の風景

会場入り場前に実施されたチーム内の検温にて、新井マネージャーから今朝の体温を聞かれたNo.9木村選手は、『6−7』という馬券のような独特な申告を行っていた模様。

 

◎うすいくん

試合会場入り後、No.53柴田選手に『話すときはマスクして〜』と先生のように注意されてしまったNo.4サスーン選手は、『いま飲んでたのっ!』ととっさに返答したものの、その手は完全に手ぶらだった模様。

 

◎ルーティーン

No.19大薗選手が試合前に最初に行なうウォームアップは小顔マッサージだったことが判明。

 

◎天然疑惑

内部コーチから『タカキ、ハム買ってく?』と独特の言い回しで試合前の太もものケアを提案されたNo.10尻屋選手は、『あ、大丈夫です』と真顔でこれを爽やかにスルーした模様。

  

  

それではまた次回お会いしましょう!  

 

  

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